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M女性がSMを楽しみたい、もっとその世界を知りたいと思っても、なかなかその一歩を踏み出すことは難しいのではないでしょうか? そんな貴女のためのコミュニケーションブログです。

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2.麻美篇 (7) バランス ~結婚時代~
さて、今回からやっと二人の結婚時代の話をすることができます。

前回、紹介したように実質的には結婚式のひと月前に新居に引越し、ふたりだけの儀式として乳首にピアスをすることで、二人の生活はスタートをしました。ふたりにとっては、これで十分なのですが、ふたりが社会と関わりを持ち、さまざまな人間と接する仕事をしている以上、ふたりの関係を公にする儀式として、結婚式や披露宴は避けて通れないものでした。またクリスチャンとして、教会での結婚にそれなりに意味も意義も感じていた僕は、自分の両親への配慮や自身の信仰心へのけじめみたいなことも当然、ありました。

そんな真面目な気持ちがある反面、もうひとつ別のふざけた悩みもありました。“結婚式、披露宴当日、なにか仕掛けるか…”という邪(よこしま)な気持ちです(笑)。まあSM系のコミックや小説にはよくあるパターンです。さすがに神聖な挙式中はやるつもりはありませんでしたが、披露宴中に、股縄でバイブを挿入して彼女を困らせるとか、そんなちょっとした軽いお遊びです。…いや軽くはないか(笑)。
■結婚式・披露宴の一日

結局、これは断念しました。麻美はそれほど挙式や披露宴にこだわるタイプではなかったですが、式が近づくに連れて、その日を心待ちにしている普通の幸せそうな新婦の顔をしていました。そんな大事な日に、あまり無茶なことをして、その思い出までをSM色に染め上げることに意味が感じられなくなったのです。それに、彼女がピアスをした日、その手の儀式はすべて完璧にやったのだから…という想いもありました。これ以上は蛇足だと考えたのです。僕の中に巣食っている悪魔もどうやらお休みのようです。

この日は、三部構成のスケジュールでした。知り合いの神父の教会で式を挙げ、手配したバスなどを利用して、パーティ会場となる洋館を改造したレストランに向かい、そこを貸し切って、お互いの親族や会社関係者などを招いてコース料理でもてなす披露宴をしました。その後、同じ会場をブッフェスタイルに変更し、多くの友人や披露宴に出席していただいた方々と合流してパーティをするという段取りです。にぎやかなパーティに疲れた披露宴出席者、とくに親族の方々は、この洋館の中にある個室で、静かに紅茶やコーヒーを飲んでいられるように配慮もしています。

さて、式では僕はあがることもなく十分、平静でした。指輪の交換では、僕は彼女に僕の指輪をはめ、そのせいで彼女は、僕には入るはずもない彼女の指輪を僕の左手の薬指にはめなければならないというプチいたずらをしかけました。

「バカ……」

彼女は小声で言いました。

「すみません。もう一回、最初からやり直させてください」

僕はそう言って、会場を笑わせることも忘れないショーマンシップに溢れた男です。…すみません、嘘つきました(笑)。ほんと緊張しました。ほんと肝心なところでヘマするヘタレです。いやぁ~焦った…。「あれ? 指輪、ゆるゆるだ!」と思いました。僕も人の子、どうやら教会の中には悪魔は入ってこれないようです。

一次会も終わり、ブッフェスタイルに変更する間、彼女は着替えをしました。


麻美のウエディングスタイル
麻美のウエディングスタイル : 挙式と披露宴はプリンセスラインのドレスでブッフェ形式のパーティではミニ丈のドレスに着替えました。ふたりともカラードレスはなんか安っぽくて好きになれなかったため、両方ともホワイトドレス。そしてこの日ばかりはどちらも大人っぽさというよりは可愛らしさを基調に麻美自身が選んだものです。ぼくは黒のベーシックなスーツ。まあ主役はあくまでも花嫁です。


式と披露宴は、大きなパニエが入っているプリンセスラインのドレスでした。立食形式では、それでは動きづらいため、ミニ丈のドレスに着替えることになっていたのです。支度部屋として用意された部屋で彼女はヘアメイクさんと準備をしていました。僕はノックしてその部屋に入り、一通り、準備ができたところでメイクさんに言いました。

「どうもありがとうございます。下にお食事とお茶用意していますので、どうぞ休憩してください。ちょっと彼女と話があるので、二人にしてもらえますか?」

ヘアメイクさんが部屋を出ると、鏡の前に座っていた麻美は、僕の意図を察して、僕の前に跪いて言いました。

旦那様、ご奉仕をさせてください。そして私をどうぞ、お使いください…」

僕は部屋をロックすると跪く彼女の前のソファーに座り、彼女に奉仕をさせ、その後、初めてのときと同じように、彼女を鏡の前に立たせて彼女の中にいきりたったペニスを挿入しました。麻美は僕を待っていてくれました。そして当然、僕がやってくると信じていてくれました。

「ああ~うれしい!! せっかく尚人様好みの衣装で綺麗にメイクもしてもらっているのに、今日、ここで使っていただけないのかと思って、寂しかったの…。でも尚人様ならきっと使ってくださるって思ってた…。麻美、幸せよ。尚人様、使って! 私をもっと使って!どうか、気持ちよくなって、麻美の中に出してください。あああ~ いい!」

「麻美、いい道具だ。すごく使い心地がいい。身体に馴染んできたよ。この肉穴は…。これからも俺の奴隷妻として、俺を気持ちよくするんだぞ」

「ハイ、尚人様! ありがとうございます。いっぱいいっぱいご奉仕します! 私を使ってください!」

僕は、もうこの頃、すっかり自分のペニスに馴染んだ麻美のヴァギナですぐに気持ちよくなり、そして今日のこのシチュエーションが重なって、射精をコントロールするのが、もう難しくなってきているのを感じました。

「麻美、ダメだ。もう俺はイクぞ! 麻美はまた夜可愛がってやる! それまでオマエはガマンしろ!」

「ああ~。ハイ、どうぞ、麻美でイッテください。私はそれだけでも幸せです! ご主人様の道具ですから!!」

僕は、10分も持たずに射精した。でもほぼ同時に麻美もイクことができて、ふたりはソファーで抱き合って、キスをして(メイクが崩れるからほんとにそっとした)、幸せをふたりで噛み締めました。

披露宴やパーティで、彼女の秘書課の同僚や仕事仲間からは、口々にこの半年間で、麻美がどんどんキレイに、色っぽくなっていったみたいな話を聞かされ、僕は自分の支配欲を満たしました。僕は麻美に小声で

「その理由、みんなに教えちゃおっか?」

とからかうと

「もう…、いじわる。でもみんな気がついてるかも…。私がずっと“尚人様”って呼んでるから…

と応えました。パーティで、みんなが驚いたのは、彼女が僕を“尚人様”と呼んでいることでした。パーティの余興みたいな感じで僕らふたりにいろいろな質問が出され、それに応えるというものがありました。

「おふたりはおふたりのことをなんて呼び合っているんですかぁ?」

なんて他愛もない質問に彼女は、可愛らしく、でも堂々と応えました。

「尚人様♪って呼んでます!」

「え~!?」みたいな喚声が上がりましたが、彼女は照れもせずに言いました。

「当然です。尚人様は私のご主人様ですから」

僕はさすがに恥ずかしくなって、

「まあ、彼女はそういう古風なところがあります。なので僕もそれに応えられるようにしっかりしなければと思っています」

なんてフォローをしました。たぶんフォローにはなっているでしょう。彼女がただそうやって甘えているだけ、あるいは本当に古風なところがあるんだと、思ってくれた人も多いでしょうが、そこになにかしら淫靡なものを感じた人たちもいたかもしれません。こういうときは、照れずにどうどうとしているほうが、ばれないものです(笑)。そして、僕はそういうしたたかな彼女の性格もわかっていましたし、それだけではなく、そこに僕への忠誠と本気さを僕に向かってアピールしているということも感じ、彼女を可愛く思いました。


■天国にいちばん近い島

結婚式の翌日から、僕らは日常に戻りました。2週間もすれば仕事納めですし、僕も退職前にいろいろやらなければならないことが山積みでしたので、休みを取れなかった。彼女も仕事を続ける以上、無闇に休みを取るわけにも行かず、ハネムーンは年末年始の休みを利用することにしたのです。といっても当初は、旅行に行く予定はありませんでした。意外と資金が順調に集まったのと、仕事で付き合いのあった政府観光局の人のおかげで、かなり安く旅行ができることになり、11月ぐらいにニューカレドニアにいくことを決めたのでした。

実は披露宴・挙式は僕の担当で、その準備のほとんどは僕がやりました。これはなにかと細かい決め事が多い準備で彼女の夢見る気分を壊したくなかったこと、そしてあまり詳しく言えませんが、このウエディングの業界に僕がかなりのコネクションを持っていたということが関係しています。彼女はドレスを気に入ったものが見つかるまでかなりいっぱい見て周り選び続けましたが、そのショップの情報なども僕がほとんど提供したものでした。その人脈のおかげでかなり安く、それなりに麻美の親も納得するレベルの高い挙式と披露宴ができたと自負しています。そのことがあって、ハネムーンは彼女の担当になりました。僕がニューカレドニアの観光局とコネがあり、一度行ったことがあるため、飛行機と宿泊先だけ手配し、あとのことはすべて彼女に任せました。もともと彼女は秘書ですから、そういうことはお手の物です。けっこうテキパキとプランを固めていきました。そんな彼女がリビングでいろいろ旅行の計画を練っているときに僕は彼女に尋ねました。

「麻美プロデュースのハネムーンのテーマは何だ?」

「スーパーエクセレントセクシーワイフ麻美よ!」

「あははは、でも超セクシーな美女妻ならいつもとかわらないじゃん」

というと人差し指を左右に振りながら

「チッチッチッチ! エクセレントがついているの! エクセレントを嘗めちゃダメよ!」

と自慢げに僕を嗜(たしなめ)めます

「あはははははは! すっっっごい楽しみだ!」

年末の海外旅行ラッシュで混み合った成田空港は、本当に芋の洗い場のようにごった返していましたが、僕は彼女の持っていたゴールドのクレジットカードのおかげで、ゴールド会員専用ラウンジなる別世界で出発までの時間をゆったりと過ごすことが出来ました。

「へえ~、ゴールド会員ってこんな特典があるんだな…」

ほとんど僕とはほとんど無縁の世界でしたが、さすが裕福な家で育ち、一流企業で秘書をしている麻美です。まったくこういうところにいても違和感なく溶け込んでいます。それほど金とかステイタスに興味はない僕でしたが、この時ばかりはそういう世界、というかゴールドカードぐらい持ってみようかと思いました。

エアは観光局の人が取ってくれたビジネスクラスで快適でしたが、昨日まで思いっきり仕事して、仕事の納会および僕の退社記念パーティということで、ほとんど寝ずに飛行機に乗り込んだため、夢見ていた飛行機のトイレでのエッチもしないうちに僕は眠ってしまいました(笑)。

彼女のテーマは半端じゃありませんでした! 僕はこの旅行で、彼女の“スーパーエクセレントセクシーワイフ”ぶりを思いっきり堪能させてもらいました。日本じゃぜったい着れないような水着やセクシーなカジュアルな服装、そしてホテルに併設されていたカジノで、僕はタキシード(僕のために彼女がプレゼントしてくれました)、彼女は背中がほとんど丸見えのカクテルドレスで、思いっきりドレスアップしていました。ふたりはカジノで“バカップル”ぶりを発揮しました。しかも僕はギャンブルはほとんどしない男(僕にとっては人生そのものがギャンブルみたいなものなので)ですが、外国に行くとどうしても、カジノでブラックジャックがしたくなります。そこで3日間で10万円の元手で120万円ほどまで儲けさせてもらい、旅行の費用はおろか、披露宴、パーティでいただいたご祝儀と合わせると、ほとんど赤字がなく結婚前と結婚後で、貯金はほとんど目減りしていないという幸運に恵まれました。


麻美の水着コレクション
麻美のハネムーン水着コレクション:彼女は海外ネット通販でかなり過激な水着を購入していました。これはそのときの日記に貼り付けられていた画像です。一番左のようなおとなしいものから、ティアドロップタイプのショーツのものまで…。でも過激なものはさすがに恥ずかしがって実際は人の居ないところでこっそり着替えて恥ずかしがってました。でもホテルの室内では大活躍です!! まあ麻美の言うとおり、海外でなければ無理でしょう。その意味ではほんとうにエクセレントな装いでした(笑)


麻美のリゾートカジュアル
麻美のリゾートカジュアル:これのどこがカジュアルだ!超セクシー路線と思われるかもしれませんが、まあぼくらはこういう格好をカジュアルと呼んでました(笑)。日本との違いはやっぱり背中ですかね。大胆に背中が開いている服が多かったです。もちろんそういうときはノーブラです。一番右はかなりおとなしいですが、まあランチなどで対面にすわっていると胸の谷間がとっても素敵でした。

麻美のカジノスタイル
麻美のカジノスタイル:まあ思いっきり派手に楽しむのがコンセプトですから麻美もかなりハジけた格好でドレスアップしました。エスコートする僕もタキシードですからね。このとき麻美は言っていました。「パーティで会ったとき言われたことのリベンジなの!どうだ!まいったか!!」はい、完全に参りました…。お見事です。



■カバ・バーにて

僕らはビーチ、ホテル、プール、その他、ほとんど無軌道にやりたい放題でヤリまくってましたが、明日の午前中はもう飛行機に乗らなければならないという前の日の夕暮れ前、僕は完璧な彼女のプロデュースに対するお礼として、僕が一番この島で好きな場所へ彼女を案内しました。

以前、仕事で来たときにコーディネーターの方に案内してもらった現地の人しかほとんどくることがないカバ・バーです。バーといっても室内ではなく、森というか林のような場所でただ焚き火を囲んでカバというお茶を飲むそれだけの場所です。カバは見た目は泥水のような灰色の液体ですが、味はまさに泥水! 苦くてまずくてこの世で最もまずい飲み物のひとつだと思います。青汁どころのまずさじゃないです。これはヤンゴーナというコショウ科の木の根を砕いたエキスから作る飲み物で、この地域の原住民が昔から飲んでいるものです。

日本の茶器の茶碗ぐらいの大きさのボウルに、なみなみと注がれたその灰色の液体を二つ買って、僕らは焚き火にあたります。ボウルをひとつ麻美に渡し、

「すっごいまずいから飲んでごらん。少しずつでいいから30分ぐらいで全部飲んむんだ」

といいました。

「うわっ! なにこれ? 飲み物なの?」

と彼女も最初は驚いていましたが、僕が平気そうに飲んでいるのを見て、彼女もがんばって飲み続けました。

「ダデ? ダンガベン…」(たぶん、「あれ? なんかヘン」)
「ヂダガディビデデギダ…」(たぶん、「舌がしびれてきた」)

彼女は、へんな言葉で僕に変調を訴えました。

実はカバは、薬茶で、飲んでいると舌がしびれてきて、頭がちょっとボーッとなってきます。大量に飲むと足も立たなくなりフラフラになります。そう、まあいわゆる合法ドラッグとでもいうのでしょうか? そういうドラッグ風で言えばダウナー系(マリファナや大麻)と似た効果があります。もちろん中毒性もないし、現地ではスーパーでも売っているようなものですし、それを買って日本に持ち帰っても別に税関で引っかかることもないです。現地の人の間では、焚き火にあたり火を眺めながら、このカバを夕方に飲んで、心を穏やかに一日を終える、そんな素敵な習慣があるのです。

ちなみに僕は、ドラッグ系の薬物になぜか耐性があり、人の倍ぐらい摂取しないと効きません。歯の治療の麻酔ですら、普通の倍ぐらい打ってもらわないと効かないのです。それでもこの焚き火に当たって、薪がバチッと音を立てながら燃えているのを見ると、なんだかとっても気持ちが落ち着きます。僕は彼女にカバの説明をしてあげると彼女は

「ジャブジャダディドデ? ダダディ」(たぶん「シャブじゃないのね? ならいい」)

と笑わせてくれます。彼女は僕にもたれかかって、気持良さそうに火を眺めています。

「麻美…。旅行中の麻美は、いつもにも増してすごいセクシーで素敵だった。本当にありがとうね。ほんと! スーパーエクセレントセクシーワイフだった。俺は幸せ者だよ…本当に。でもさ…。僕らは夫婦になった。これから毎日一緒に居るんだから、そんなに無理するなよ。僕は麻美がセクシーなのを見たいし、ドキドキしたいけど、毎日じゃなくてもいいんだよ。麻美が仕事で疲れて帰ってきたときは、肩も揉んであげるし、脹脛(ふくらはぎ)だってマッサージしてあげる。かわいい麻美や、弛緩している麻美だって、なにもする気力がなくてボーっとしている麻美だって、みんな愛せる。家は僕らの唯一の居場所だ。拠り所なんだから…。気張って外で働いて帰ってきて、だらしなく甘えたっていい場所なんだよ。そうやって休んで、元気になる場所だよ。それを踏まえた上で、お互いのために、ぼくらは男であり、女であり続けるようにしよう。努力もする。そんな夫婦でいよう…」

僕は、ずっと彼女が僕のためにがんばっていることにちょっと不安があり、いつかそのことに疲れてしまうんじゃないか…、そんな不安がありました。なので彼女にもう少しリラックスして無理のないように生活を楽しんで欲しいと思ったのです。でも、彼女の返答を聞いて、僕はそれどころじゃなくなりました。

「ブン、ババディーダンダダバベ。ダッダディ、ダドドダバッデヅデヂ」
(うん、やさしい旦那様ね。やっぱり、尚人様ってすてき)

「えっ?(笑) 何? 何いってんの? さっぱりわからない(笑)」

「ババディーダンダダバベ。ダッダディ、ダドドダバッデヅデヂ ッデディダド!」
(やさしい旦那様ね。やっぱり、尚人様ってすてきって言ったの!)

「アハハハハハ、わかんないよ 麻美! もう一度言ってよ。アハハハハ」

「ボー! ディディダデュ!」(もう! いじわる!)

「アハハハハハハ、愛しているよ、麻美。でも日本語覚えてね! アハハハハハハ」


■結婚期間のふたり

ハネムーンの帰りの飛行機の中、小さくなっていく島々を見てながら、僕は言いました。

「墓はいらない…。こんなキレイな海に散骨してくれよ」

日本人の平均余命の統計から多分、僕より長生きする麻美に僕はそんなことを何気なく頼みました。

「そうね…。私もお墓はいらない。尚人様をここに散骨するなら、私もここに散骨して欲しい…」

確かに、誰かが言ったように、ここは天国にいちばん近い島、そんな気がしました。




ニューカレドニア空景
ニューカレドニア:天国にいちばん近い島 1966年に発表された森村圭(1940~2004)の旅行記 亡き父親の語った、花が咲き乱れ果実がたわわに実る夢の島、神様にいつでも逢える島のイメージをニューカレドニアに求めて旅行する作者の心情が描かれる。1984年に監督:大林宣彦、主演・原田知世で映画化された。




真夏のリゾート・ニューカレドニアから真冬の日本に戻ってきたふたりには、現実が待ち受けていました。僕らの生活が本格的にスタートした新年、僕は自分の会社をスタートさせ、仕事に忙殺された。彼女も今までどおり、仕事を再開しましたが、彼女は通勤時間が30分以上短縮され、かなり楽になったと喜んでいました。この頃の麻美はとても幸せそうでした。不思議なもので、それまで、奴隷願望が非常に強く、被虐的なものを求めていた麻美は、落ち着き、どちらかというと奴隷妻というよりは夫によく尽くす妻といった雰囲気でした。その理由を彼女はこう僕に説明してくれました。

「もっと奴隷妻でいたい!って思うけど、乳首ピアスを見るとなんか落ち着くの…。なにもしなくても、この印があればそれだけでもう私は尚人様の奴隷なんだって…思えて幸せなの。でも本当はもっと尚人様に尽くしたいの…。でも今はそれをすると、尚人様、困るでしょ? お仕事始めたばかりだし…。でも麻美のこと、もっと可愛がってね♪」


なるほど…。ピアスにはそんな効果もあるのか…。僕は彼女が仕事に追われている僕を気遣ってくれているのをありがたいと思いましたが、同時に僕はこれからのふたりの関係をある部分、仕事と家庭、そしてSMでの主従関係とスイッチを切り分けていくことで生きていくのだと思っていました。でも、それが彼女のスタイルではないということに気付き、ふたりの想いの差みたいなものも感じ始めていました。

これは、明確に分けられるものではなかったのですが、それでも僕にとって奴隷妻・麻美は、恋愛関係にあり結婚した麻美との性的なコミュニケーションにおける設定のように考えているところがありました。が、彼女の中では、もっとリアルな自分の立場とでもいうのでしょうか…。自分を本当に奴隷妻と思っている、思いたい、そう感じて生きていくことが彼女の幸せであり、喜びでした。そう…、彼女の想いは設定ではなくリアルでした。

言い方を変えれば、僕は自分の生活の中で、ベッドつまりプレイだけでなくSM的なものを3割程度侵食させて生活していくぐらいのバランスが丁度いいと考えていましたが、麻美にとっては、それは7割、8割、もしかしたらすべてに侵食させていたいと考えていたのです。彼女にとって、乳首につけられた“証”はそれだけ重いものでした。だからこそ、逆に落ち着くことができるのだというわけです。

僕は、こんないじらしい、かわいい奴隷妻をもっと可愛がってやりたくなりました。無理に普通でいられる弛緩した時間を作ってあげるより、僕のために何かをしていたいと考えているなら、それを要求でも、命令でもしてやることこそが、彼女のためだと思うようになっていきました。

ふたりは、このことについてよく話し合い、結果、僕らの生活は5割から6割ぐらいがSM的な主従関係をベースとしたものになっていきました。

彼女は僕が仕事から帰ると、僕好みのセクシーな格好で玄関で三つ指を突いて僕を迎えます。

「お帰りなさいませ、ご主人様。お仕事お疲れ様でした。お食事とお風呂の用意ができています。でも…、まずは麻美にご奉仕をさせてください…」

というような日もあれば、急に駆け寄ってきて抱きつくと

「尚人さまぁ~♪ 麻美、寂しかった…。尚人様のことずっと考えてもうグショグショなの…。お願いします。尚人様、麻美にハメてください…」

と甘ったれてくる日もあります。彼女は手を変え品を変え、僕を飽きさせることなく、ドキドキさせてくれます。もちろん仕事を彼女もしていますので、僕のほうが早く帰るようなこともありました。そんなときは僕が料理を作ります。ちなみに料理は僕のほうがたぶん上手だったと思います。僕は自分の料理の腕を天才だと思っていますし、作ることも好きでした。それでも彼女は、自分で作って僕に食べさせることが僕に尽くすことだと考えているところがあったので、自分が遅くなって僕が料理を作っていると、すごく申し訳なさそうにします。そんなとき、僕は

「麻美は俺の性奴隷だからな…。別に料理なんていいんだよ。俺が食わすものを食べてろ! 麻美はただ俺のためにいつもキレイで性的に奉仕するために自分を磨いていればいいんだ。それが奴隷妻なんだよ」

などと言って彼女に罪悪感を抱かせないようにしました。彼女はこういうことを言われるのが本当に好きでした。こういうことを言うと、それが僕の気遣いだとわかっていても、ウットリとした顔になって、スイッチが入ってしまいます。

「ハイ…。麻美は尚人様の性奴隷です。尚人様に気に入っていただけるように、もっとキレイにいやらしくなるように自分を磨いて尚人様に喜んでいただきたいです。尚人さまぁ…せっかくですから、ひさしぶりにスーツ姿の麻美をバックから犯していただけませんか? 今日はいつもよりスカートも短くてスリットも深いのを穿いているんです…。お気に召しませんか?」

なんていって、盛り上げてくれます。
こういう僕なりの気遣いは結構、たくさんしたと思います。カバ・バーでいったように、

「家でだらしなく弛緩している時間があってもいいんだよ?」

といっても彼女は僕のためにその時間を作ろうとなかなかしませんが、

「俺はべつにケバイ女が好きなわけじゃない。普通に真面目な女がぼくのためにそうなっていくところが快感なんだ。だから麻美もいつも派手な格好をするだけじゃなく、週に2日ぐらいはオマエのナチュラルな姿を見せてくれ。その差が見たいんだ。メリハリをつけてくれ!」

というと、ちゃんと週2日ぐらいはカジュアルでかわいい麻美でいてくれるのです。こんな風に彼女の希望を無理なく叶えるために僕は、結構努力したと思う。そういう言葉以外にも、家庭を運営していくためには、さまざまな雑事があります、“オンナでいたい”“奴隷でいたい”という気分とは相容れないそういう雑事、光熱費の支払いや掃除、洗濯、ゴミ捨て、そういうものも極力、自分でやるようにした。やれない場合は、掃除するときは股間にバイブを入れさせて敢えて奴隷の気分でやらせたり(笑)、マンションのゴミ置き場にゴミを捨てに行くときは、かならず丈がものすごい短いホットパンツを穿かせたり、二人とも働いているため、なかなか洗濯の時間がないため、当時はまだ日本製がなかったドラム式の洗濯機を買って時間を節約したり、創意工夫を怠りませんでした。

また彼女との時間をできるだけ多く取るために僕は夜型の生活も変えた。僕の会社は業界時間に合わせて、始業が10時半と遅いのですが、彼女が朝8時20分ぐらいに家を出るのにあわせて、一緒に出かけるようにしました。朝、僕の事務所のあるマンションまでふたりで歩いていきキスして別れるのが習慣になりました。スタッフのみんなが来る前に仕事をはじめ、その分、出来るだけ早く8時ぐらいには仕事を終えて家に帰るような、それまでの僕では考えられないような真面目な生活です。そのため遅くとも1時ぐらいには寝る朝型の生活で、しかも彼女が休みの土日はちゃんと自分も休むんですから、

「美人の新妻ができるとこうも変わるか!」

と、まあ僕の周りの人間は驚いてました。酒もまあ、飲まなくなりました。もともとそれほど好きではなかったですが、サラリーマン時代は付き合いもあり同僚とどうしても飲まなければなりませんでしたが、それもなくなりクライアントとの付き合いはたまにあるものの、自分から積極的に飲むことはなくなりました。それでも月2回ぐらいは金曜日に麻美と街で待ち合わせをしてデートして帰る、そんなときもありましたから、そういうときはふたりでバーにいったり、食事してワインを飲んだり、まあその程度です。

そして、麻美をオンナとして、奴隷妻として幸せでいさせるために、もうひとつ僕がやらなければならなかったこと。それは僕が男でいることでした。麻美にとって理想の男がどんな男なのかは聞いたことがありません。たぶん「そんなの愚問よ。それは尚人様です」としか応えないでしょう。なので僕は自分が信じる男としての理想を追求して、自分をそこに近づけていく努力をすることにしました。まず、麻美にキレイでセクシーでいることを強いる以上、自分が怠けた身体でいるわけにもいかず、ジョギングやジムでトレーニングをするようになりました。その頃はすでに学生時代スポーツをやっていた貯金は使い果たし、さすがに身体は鈍(なま)っていました。8個に割れていた腹筋もいったいどこにいったのでしょう? 消えていましたし、体重もかなり増えていました。なんとか20代前半の自分の身体に戻すことを目標にがんばりました。

それだけじゃありません。着る物にもこだわりました。彼女が僕のためにしてくれる格好にあわせて、それにつりあうよう気も使いましたし、外で彼女をちゃんとエスコートできるようにある種、自分なりのダンディズムを確立し、イイ男でいるようにがんばりました。まあ、内面的にはそれなりに自信過剰なところもあり、それほど苦労はなかったです(笑)。今考えるとよくがんばったなぁ…と懐かしくもあり、恥ずかしくもあり、ちょっと照れくさい感じもします。


■S女 麻美

結婚後半年ぐらい経つと、僕は仕事と麻美との生活のバランス、麻美は僕のかわいい妻であることと、奴隷妻でいることのバランス、そしてふたりは夫婦としての生活スタイルとSM的な生活のバランスを確立できるようになっていきました。

例えば、夕食も終わりリビングのソファーで僕がテレビを見ながら寛いでいるとき、麻美はソファーにいる僕の隣に座ることはありませんでした。セクシーな服を着て、僕の足元で僕の足にもたれかかりながら、一緒にテレビを見ます。別に命令でも指示でもないのですが、彼女にとっては、それがお気に入りのポジションでした。ちょっと屈辱的な例えですが、“スター・ウォーズ エピソード6・ジェダイの帰還”でジャバ・ザ・ハットの足元?で性奴隷的な衣装を着て寄り添っているレイア姫のような雰囲気です(笑)。余談ですがアメリカのオタク(NERD)たちは、このシーンが大好きなようで、よくパロディとかに使われます。その気持ちはすごくよく解ります。ある意味単純な活劇であるスターウォーズ・サーガの中で、あのシーンだけが妙にエロティックで、なんとなくジョージ・ルーカスの趣味なのかな?と勘ぐりたくなるような異質さを僕も感じます。



麻美のリビングスタイル
麻美のリビングスタイル:左上は“スター・ウォーズ エピソード6・ジェダイの帰還”でジャバ・ザ・ハットの足元?で性奴隷的な衣装を着て寄り添っているレイア姫。まあ、こんな感じですね、確かに着ているものはほぼ寝巻きみたいな感じ。けっこうこんなシドケないスタイルとかセクシースタイルが多かったです。





こんなとき、時として麻美は、僕に「ご奉仕させてください…」といって一心不乱にフェラチオを始めたり、さらにセクシーなナイトウエアに着替えてきて戻ってきては「ご主人様、ご奉仕のお時間です。今夜の夜伽のお相手をさせて頂きます麻美でございます」などといって、強烈に迫ってきます。またあるときは、僕がもっと麻美を側に置きたくなって、「麻美、隣に来てよ。くっついていたい…」と甘えたことを言って、麻美を隣に座らせ、彼女の甘い香水の香りを嗅ぎながら、彼女の身体を好きなだけ求めます。膝枕をしてもらったり、ふたりはとにかく甘く、イチャイチャ、ベタベタ暮らしていました。

そんなある日のことです。いつものようにリビングでテレビを見ている僕のところに、超セクシーなボディコンスタイルの麻美がやってきて、僕に言いました。

「尚人様、麻美は尚人様の調教を受けて今日で1年なんですよ。麻美がどのくらい尚人様の調教でご奉仕がうまくなったか、今日は見せてあげます。尚人様は何もしないで、ただ麻美のご奉仕で気持ちよくなればいいの…。私のことはいいから、任せて…」

凄い色っぽい雰囲気で、そういって僕をソファーに寝かせると、横に寝そべって身体を未着させながら、濃厚なキスをしてきます。

「麻美ね…。もう解っちゃった…。尚人様のこと…。フフッ。もうどうすれば尚人様が気持ちよくなって、感じちゃって…。イっちゃうのか…。もう尚人様は、麻美のモノよ…。絶対、麻美から離れられない…。こうされるの…。好きでしょ~? こんな風に手の平でこねくり回されると、尚人様は、オチンポ、ピクピクさせて、もっともっとって感じになっちゃうのよね…。どう? 気持ちいい? ちゃんと応えて?」

「麻美…。気持ちいい…。あ~、なんかたまらない…。 欲しい…麻美の中に入れたくてたまらない」

「ダメよ~。もっと私を楽しませて? 上手でしょ?麻美、ねえ… 私の肉穴の匂い嗅ぎたいでしょ。尚人様は麻美のグショグショになった肉穴の匂いがすご~く好きなのよね?知ってるの…。興奮するんでしょ?」

こういうときの気分、解りますかね? 麻美に手玉に取られているっていうより、麻美に手玉に取られたい! このまま麻美に溺れている自分を楽しみたい!って気持ちになるんですよ。きっとM女性の人の中にもあるんでしょうね、そういう心の部分が。気持ちが相手の思惑に自ら擦り寄っていくことを望んでしまうみたいな感じです。

麻美は仰向けになった僕に跨ったまま、自分の股間を僕の顔まで近づけて左手でクリトリスとヴァギナをクチャクチャとやらしい音を立てながら弄りながら、右手で僕のペニスを愛撫し続けます。麻美の股間から、いやらしい淫臭が漂い、僕の鼻腔をくすぐります。

(もっと、もっと強くその匂いを嗅ぎたい…。思いっきり嗅ぎたい!)

ペニスを最も気持ちよく感じる按配で愛撫され、ガマンできない衝動の中、僕は麻美に懇願します。

「お願いだ…。もっと麻美の匂い嗅ぎたい。気持ちよくてもうガマンできない」

「いいのよ。思いっきり嗅いでちょうだい。ねえこれでどお? ほら息がもうできないでしょ? うれしいでしょ? 麻美のいやらしさすごいでしょ? みんな尚人様が私に仕込んだのよ? 麻美、一年でこんなオンナにされちゃったの…。 こんな麻美、好きでしょ?」

「ああ~ たまらない。麻美、すごいよ。もうガマンできない。麻美の中に入れてくれ」

「あら~? いいのかしら…。尚人様、もっと麻美を感じたいでしょ? 知ってるのよ?麻美…。尚人様、こうやって身体をピッタリ密着されてオチンポ愛撫されながら、麻美が上から尚人様の顔を見ていると、すっごくウットリした顔で喜んでいるでしょ? こうやって見下ろしている麻美のこと、いつもキレイだ!っていってるでしょ? そんな私が好きで好きでたまらなくなって甘えたいのよね~」

麻美は今度は身体を僕の横にピッタリと押し付けて密着させるとペニスを愛撫したまま、上半身だけを少し起こして僕とずっと視線を合わせて上から僕をやさしく妖艶な顔で見下ろします。僕はこのときの麻美がたまらなく好きでした。本当にキレイで妖艶でしかも女神のようにやさしい顔で僕を見ます。

「ああ~。麻美。麻美だって身体密着させられると甘えたくなるじゃないか…」

「あれ~? そんなこといっていいの? そうよ。わたしもそう…。でも今日は違うの…。今日の私は尚人様を夢中にさせて虜にさせるオンナなの…。ど~お? 正直に言って?」

「うん。麻美に甘えたい。麻美~、甘えさせて…。麻美がきれいでやさしくてもうなにも考えられなくなる。麻美のものでいたい。麻美の虜なんだよ。麻美…がまんできない。麻美の中に入れてくれよ」

「いい子ね…。尚人様は私の虜なのね。でも中に入れたらガマンできないわよ。私の肉穴だって、一年でもう尚人様のペニスのこと知り尽くしてるんだから…。すぐにイっちゃって…。尚人様、きっと恥ずかしくなっちゃうわ…。そんなふうになってもいいの?」

「がんばるよ…。麻美を気持ちよくするまでがんばるから、お願いだよ。麻美、入れてくれよ~」

「ほんとかしら…。ぜったいガマンできなくてすぐにイカせちゃうんだから…。いつも無理してるでしょ? 本当はすぐにイキたくなるの、ガマンしてるんでしょ? それとも麻美の中、気持ちよくないの?」

「ああ! 気持ちいいよ。ほんとだよ。たまらないんだ。でも麻美を思いっきりイカせたいんだよ。ああ~ ガマンできないよ。麻美!」

麻美は、なかなか入れてくれません。

「どうやって、イキたいのガマンするの? 正直にいってごらんなさい…。そうしたら入れてあげる」

「ああ~ それは言えないよ! 秘密なんだよ…」

「ダ~メ! 言わないと入れてあげないわよ。欲しくないのかな~ 尚人様…麻美も欲しくてたまらないのに…。肉穴は尚人様のオチンポ咥えたいって、もう待ち構えているのに…。いいのよ、言っちゃいなさい…尚人様、ねえ…教えて…」

僕はたまらなくなって言いました。

円周率…。
 円周率を100桁。
最初から頭の中で諳(そら)んじるんだよ…。
 麻美、いいだろ! 入れてよ」


「もう…バカァ(笑)。麻美が最高に気持ちいいときに、そんなつまらないことしているの? いやぁ~ねぇ…。許さない。もっと麻美のこと考えて…。ダメよ。そんなこと考えられなくしちゃうんだから…」

そういって僕は恥ずかしい秘密を暴露させられ、麻美はもう我慢の限界を超えていた僕のペニスをヴァギナに入れると、僕の円周率計算を阻止するように、より濃厚に僕に密着して、唇や首を嘗め回し、耳元で甘い吐息と声を囁きます。

「尚人さまぁ…。麻美のこと好きでしょ? 私、いやらしくてセクシーで、尚人様好みの性奴隷なのよ? 尚人様に仕込まれた尚人様専用の道具なの…。ガマンなんてしないで…。もうイキたいときにイって! ううん。ガマンしてもいい。でも、今日の尚人様にはもう無理よ。私、知ってるの…。尚人様はこういう腰の動きに耐えられないの…」

そういうと、すごくいやらしく、絶妙なリズムとスピードで、腰を上下、前後にグラインドさせてきました。

「ああ~ 麻美! 許して、我慢できない… イッちゃうよ!!」

「いいのよ。尚人様。言ったでしょ? 麻美は尚人様を気持ちよくする道具なの…。私を使ってイって…。中に出して…」


■Mの気持ち

結局、僕は1分も持ちませんでした。こんなことは初めてでした。襲ってくる射精感を制御する間もなく、ただそのまま、麻美の中に発射してしまいました。恥ずかしいやら、敗北感やら…、いろいろな感情が巻き起こりますが、結局のところ、麻美に対する切ないまでの思慕、盲目的な従属感、そしてその幸福感で満たされ、僕は麻美のはだけた胸に顔を押し付けて麻美に浸りました。

「麻美、麻美、麻美…。すごい。麻美、幸せだよ。恥ずかしくて、でももう麻美の虜だよ。俺は麻美のものだ…。ずっと僕の側にいてくれよ。離さないでくれ…」

「尚人様…。うれしい…。ねぇ…、わかる? 今、尚人様が今、感じている気持ち…。

 それがいつもの私の気持ちなの…。
 麻美がいつもどれだけ幸せか解ってもらえた?
 
 
 麻美がいつもどれだけ尚人様に夢中で、虜で、幸せかわかったでしょ? 
 知って欲しかったの…。私がどれだけ幸せなのか…」


(……えっ!?)

(そういうことなのか…。いつも麻美は俺に抱かれて、使われて、こんな風に俺を思ってくれているのか…)


まったく麻美は、本当に尊敬に値する女性でした。麻美はこの1年の僕との付き合いで、何を感じ、どう変わり、僕にどう感謝しているのか、その成果を、その気持ちを、僕に伝えるために、敢えていつもと立場を逆転させ、僕に見せてくれました。時には行き過ぎたり、時に僕が必要以上に思いやりや気遣いをみせたりする中で、僕が麻美にとっての幸福を迷いながら模索していることに対する答えがこれでした。今の自分の気持ちを言葉で僕に伝えるのではなく、その気持ちを僕に体感、実感させることで伝えてくれたのです。こんなことができる女が他にいるでしょうか? まったく頭が下がります。結局、僕が過度にSでいようとすること、麻美の前で男でいようと踏ん張ることで、麻美が甘えるのではなく、僕が麻美に甘えれば、彼女も僕に甘えられる…。そんな単純なことに僕は気がついたのでした。それがバランスを模索するふたりの答えとなり僕らは、その後、自分達のスタイルを自信を持って進んでいくことが出来るようになりました。

毎年6月頃、彼女はこんな感じで僕を翻弄し、その幸せを僕に伝えてくれることが二人の行事となりました。ふたりの出会いの記念日でもあるこの6月を、ふたりはアメリカの休日に引っ掛けて「感謝祭」といつの間にか呼ぶようになりました。

■日常

ふたりは、こんな感じで、いつもベタベタ、イチャイチャした甘ったれた主従関係でしたが、もちろんそういう時間だけで日常を送っていたわけではありません。僕が自分の好きな映画やドキュメンタリーを見ているときは、彼女はお気に入りのポジションに陣取って一緒に見たり、僕が本を読んでいるときは、傍らで雑誌を読んだり、ネットでセクシー下着を見つけたり穏やかな時間が流れます。僕のようになんにでも意見や考えを言いたがる人間に対して、彼女はそれを聞いてくれるし、自分なりの意見も言います。もともと頭の回転が速く、知的な女性でしたから、彼女とのそういう知的な会話はとても楽しいもので刺激になりました。またふたりでテニスをするようにもなりました。基本的には普通に楽しみます。ときどきヘンな仕掛けをして、その後、ロッカールームで激しく求め合うようなこともありましたが、それはたまに(笑)。また週一ぐらいで、僕が

「明日はノーパンで出勤しろよ」

とか

「明日は股縄でバイブを仕込んで仕事しろ。トイレから電話して来い。オナニーさせてやる」

なんてことをいって遊びましたが、もうふたりにとっては、そんな程度は日常のちょっとしたスパイスで前戯みたいなもので、特に改めてここで紹介するほどのことでもないでしょう。

休日はふたりでよく買い物にでかけました。そのときの彼女のファッションはカジュアルさの中にもセクシーさを忘れないものでしたので、近所の人たちの間ではかなりのセクシー美人妻として有名になっていきました。よくエレベーターで近所の人に会ったりすると

「奥さん、きれいですよねぇ…。心配じゃないですか? いつもあんなセクシー格好していて…」

なんてことを言われたもんです。一緒に居れば

「いつも仲がいいですねぇ…」

と嫌味ともただの挨拶とも取れることを言われました。まあふたりが仲良く腕を組み出かけていく姿やキスをしているところぐらいはみんな見ていたでしょう。
こんなことを言われると僕は

「自慢の妻ですから…。キレイでいてほしいって言ってるんで、それに応えてくれているんです」

とか

「そうですか? 僕らにとっては普通なんですけどね。ずっとくっついていたいんですよ」

とイケシャアシャアと言ったものです。

僕はこんな幸福がずっと続いていくんだとなんの疑いもなく信じていました。




さて、今回はかなりおとなしい話で物足りなかったのではないでしょうか? 次回はそんな結婚生活の中で、ふたりが行ったちょっと過激な部分の話を中心に、そしてこんなふたりに訪れる転機についてお送りします。でも正直に言って、僕はこの麻美篇の中で、もっとも読者に伝えたかった部分が今回のことでした。婚約時代にエスカレートしていったふたりが生活の中で、お互いの違いを乗り越え、どうコミュニケーションを取り、バランスを取っていったのか…。それが麻美篇の中で最も重要な話だと考えています。それを今回、こういう形でまとめられたことに僕はある種の満足感を覚えています。

やっぱり結婚生活も2回に増えてしまいました。申し訳ない! 次回をお楽しみに。


>>>>この話の続き「2.麻美篇 (8) 転機 turning point ~結婚時代~」を読む。



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